アスリートの無月経はスポーツ障害
当院は婦人科疾患に対しての施術も行なっておりますが、
アスリートの無月経や月経困難症に対しての治療を日頃から行なっております。
お悩みの症状は以下の通りです。
・高校に入ってから生理が止まってしまった。
・大会前に減量を行いながらのハードな練習で生理が来なくなった。
・文化系の部活から運動系の部活に変えたら生理が来なくなった。
・生理がずっと止まらず出続けている。
・生理痛が辛くて、持っているパフォーマンスを出すことができなかった。
・生理が重なって、大会前に不安で仕方なくなる。
などです。
原因は様々ありますが、
アスリートにとって月経と向き合いながら
試合に向けてパフォーマンスをピークに持っていく事は
大変な事だということは
私もこれまで経験してきてよく理解しています。
最近では、
ピルを使って月経をコントロールする選手は
珍しく無くなってきました。
また、婦人科のスポーツドクターも
少しずつ増えてきているのでとても心強いですね。
その中でも
生理が止まってしまうことや
生理がずっと続いてしまうなどの症状は
一番に改善したい症状です。
スポーツ医学にとって
無月経はスポーツ障害と分類されています。
生理が来ない方が、
プレーに影響を及ぼさないから
いいじゃない!と思うかもしれませんが、
無月経自体大きな問題というより
それに続発する骨粗鬆症や疲労骨折などの
リスクを高くしてしまうことが大きな問題です。
女子の性ホルモンであるエストロゲンは、
生殖器系のコントロールだけでなく
骨の吸収や、筋肉に対しての調節をしてくれいます。
生理が来ないだけで、
肢体不自由無く、体はとても元気という事が選手や保護者、指導者に
大きな誤解を招いており、深刻な問題とに捉えられていない方も
少ないかもしれません。
タイトルにある通り、
アスリートの無月経はスポーツ障害であり
いわゆる怪我。
症状が出た時に病院を受診して、
器質的な問題がないかなども専門のドクターに
診察していただくことをお勧めしております。
また、続発する貧血なども
フェリチン値を同時に見ていただくことも
健康な体を維持しながら
競技を行う上では重要になってきます。
では、当院に来られる選手たちは、
なぜ鍼灸を選んでくるのかというと、
・ピルの副作用が辛くて継続した内服が難しかった
・薬に頼らなくても良い体質へ改善し、スポーツを行いたい。
・薬を飲むのが苦手
などです。
鍼灸は副作用なく治療を進めていく事ができるのが
大きなメリットです。
また、薬を使用しないため
うっかりドーピングの心配がないということも
大きなメリットだと思います。
ホルモン作用のあるお薬はドーピング違反の対象となる薬があるため
ドーピングに詳しいドクターに相談するか、
薬剤師などに相談しながら処方薬を
検討する必要があります。
(全てのDr.がドーピングの知識がある訳ではありません)
ドーピング違反に対象となる薬を使用しないといけない場合
TUE申請と言って、事前に大会や専門の機関に申告する必要があるので
とても注意が必要になります。
当院の治療としては
鍼灸以外にもメディカルアロマと栄養療法を
一緒に行いながら、アスリートの月経のコントロールを行なっています。
また、
使用するナプキンの種類を変えてもらったり、
セルフケアで自宅でお灸なども行なっていただいています。
他にも、学生選手は特に
汗をかいた下着や靴下を着替えることなく1日中履いている
選手もいますが、
夏でも冬でも
湿った服を体に纏い続ける事は
体の冷やしてしまったり、湿を体に入れてしまいます。
女性アスリートは特に大変ですが
当院にくる選手には男性でも女性でも
こまめに下着と靴下を着替えるように
アドバイスしています。
濡れたままの衣類を
体に纏い続ける事は
体が疲れやすく、冷えやすくなりますので
こまめに着替えることも強くお勧めしています。
器質的な問題がない選手は治療によって
ほぼ100%生理が来てくれますが、
生理が再来するまでは、
骨折や、捻挫と同じように
治療に専念していただき、
練習の強度も調節していただいてます。
まだ成長期の選手は特に、
・生命を維持するためのエネルギー
・成長のためのエネルギー
・運動を行なうためのエネルギー
を確保する必要があります。
最近では、
成長期の選手の過度な練習量が特に目立ち
怪我につながるケースも少なくありませんが
健康があっての運動が大前提であることを忘れずに
日々の練習や大会に取り組んでいただけたらと思います。
日々体を酷使している
アスリートは月経のトラブルを抱えている方も
少なくないともいますが
一人で抱え込まずに
お気軽にご相談いただけたら
とても嬉しいです。
今年も皆様の大活躍を心から祈願しております