女性アスリートの健康を守る鍼灸
2025/04/23
卒業、入学と新しい生活がスタートされた皆様も多いこの季節ですが
皆様の生活が徐々に穏やかになっていくこと祈る今日この頃です。
新生活が始まると新しい環境や生活のリズムが大きく変化していく中で
これまで取り組んでこなかったことにチャレンジされる方も少なくないかと思います。
新しいことにチャレンジし取り組むことはとても素晴らしいことですが
体と心もその環境に徐々に慣らしていく必要があります。
特に成長期の皆様は、心と体の発達を伴いながら
その環境の変化に順応していく必要があり、とても苦労されている方も多いかと思います。
必要なエネルギー量も成人よりも多く必要な時期に
1日の活動量が多くなると体の不調が起こりやすくなります。
昨年末に当院を始めてご利用くださった方は
進学をきっかけに文化部から運動部へ入部し、
急激な体の負担を伴ったせいか
生理が不順となって、まる1年半以上経っていました。
進学して生理が来たのは数回ほどで
その間病院を受診して器質的な病変は見つかることなく、
生理のコントロールの為ピルを処方されいましたが、
副作用が辛くピルの使用を断念されいました。
アスリートに多いこの月経困難症ですが
放っておくと、疲労骨折や、筋肉や腱などの軟部組織の損傷などを起こしやすく
スポーツ医学界では大きな問題となっています。
大きな要因としては
・急激なエネルギー量の消耗
・精神的ストレス
・筋肉量の増大によるアルドステロン(男性ホルモン)の増加
・タンパクや鉄分などの栄養不足 など です。
生理不順が起きても体は元気で、運動することに全く支障がないことから
軽視されたまま、骨粗鬆症をとなり疲労骨折を突然起こしてしまうなど
重症化してしまうケースも少なくありません。
また、スポーツをやめて大人になった時に
子宮や卵巣への悪影響が予想され、子供を産む体の準備が整っていなかったり
内膜症などへ繋がるケースもあります。
それらを防ごうと私たちトレーナーやスポーツドクターは
日々啓発活動を行なっています。
しかしこのケースのように
継続してピルを服用することが難しいという選手は多く
鍼灸治療で改善されたいというご相談をよくいただきます。
今回の選手は、
12月末から4月中旬の間に9回鍼灸治療を当院で受けていただき
先日生理の状態が安定したため、卒業となりました。
治療をして生理が来てくれたのは
2回目の施術後でしたが、ご自宅ではお灸を行なっていただいたり
栄養の改善や、冷え対策を行なっていただいておりました。
また治療中はアスリートアロマも併用しながら施術を行なっておりました。
その後2周期間は安定して生理がくるよう
鍼灸治療を継続していただき、先日無事卒業となりました。
私たちの体は常にオートマティックに生命を維持するために
働いていますが、そのために必要なエネルギーや栄養、体温が必要になります。
体を健康に保つためには
その体を維持する為の環境を整える必要があります。
鍼灸は健康を保つ為のバランスが崩れた時に、
良い状態へと導く手助けをしてくれます。
もちろん鍼灸だけでなく、私生活や日々体を労わる工夫が必要となります。
選手の協力もあり、無事に健康な状態へと改善することができて本当によかったです。
大好きなスポーツを楽しみながら
選手の今後のご活躍を心から祈願しております。
ご利用いただきありがとうございました。