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秋の養生 〜暮らし方・食事〜

   

 

残暑がまだまだ続いておりますが皆様毎日快適に過ごすことはできていますか?

今年の夏も暑い日々が続き、

暑い夏には特に胃腸の不具合が出てきやすくなりますが、

胃腸の動きが悪くなったり、胃腸の調子を崩してしまっている方が多かった印象です。

夏に食欲が落ちることは、体が夏の体に切り替えてくれている状態なので

多少、食欲が低下するのは問題ありませんが、

食べると胃腸がムカついたり、

食欲はあるけど食べれなかったりといった症状がある方のお悩みが多く、

鍼灸治療を中心に調節させて頂きました。

体に熱が籠りやすく、陽に傾くのを防ぐために夏の養生には

スイカや、杏仁などの食べ物がいいことを当院をご利用の患者様方にはお伝えしておりましたが、

今年も皆様スイカを食べて過ごされましたか?

スイカは本当に美味しいですね!

 

 

体にこもった熱を取り除いてくれるスイカなどの食べ物をとり、調節されている方は

秋の不調を引き起こしにくいと言われていますが、

スーパーに行くとスイカの姿もなくなり、栗、根菜類が少しずつ並んでくる様子を見ると

とても秋を感じます。

 

もうすぐ秋分となりますので、スイカや冷たいものを摂るのはやめて、

そろそろ秋の養生へ切り替えて行きましょう。

 

秋の養生

 

東洋医学の経典である黄帝内経の素問に秋についてこう書かれています。

” 秋三月此容平謂 。天地以急地氣以明。”

秋の三ヶ月を容平(ようへい)という。それは物の形が定まる季節である。
この期間は天地の気が引き締まって澄んでくるように全ての物が収斂してくる。

 

これまで、陽気が充満していた夏に陰気がじわじわと混ざり合ってくる秋の季節。

暑さの影響で陽気が体内に溜まると、胃腸の病や、心熱が原因で不眠になったり、動悸が起きたりといった不調が出るため、
春や夏は屋外で体を動かし、その溜まった熱を発散させることがいいと言われていました。

その一方、秋は精神を落ち着かせて、秋の引き締まった氣(大気)で体を損なうことがないようにし、
志を遂げようとしてやたらと動きまわり、
冷えを受けて肺の臓を冷やすことがないようにしなければならない。とも記されています。

今では、鶏を飼っている家は少ないかもしれませんが、

鶏と共にし、外が暗くなる頃に寝て、外が明るくなる頃に目覚めるように睡眠を取ると良いでしょう。
(鶏はこのように太陽に合わせて1日を過ごしていることから、共にすると良いと言われています)

また、秋は空気が乾燥してくるため、体が乾燥しないように潤すことや、氣血を巡らせるような食事をとりましょう。

体の水分調節をしてくれるものは、ナッツや魚介類がおすすめですが、
キノコは水を補いながら、氣血水を巡らせてくれる作用を持ちます。

また、スパイスやハーブもうまく活用すれば内臓を温めながら体の中を巡らせてくれます。

夏に冷たいものを摂りすぎたり、夏の疲労が取れない方は、これから美味しくなる
さつまいもや栗も積極的に摂ることで、脾や胃の調節をしながら内臓に気血を巡らせてくれます。

体を冷やす小麦や瓜科の物は控えて、発酵食品を多くとったり、
薬味系のネギやニンニクなども摂るといいですが、薬味は摂りすぎないように気をつけましょう。

なんでもいい塩梅が大切です。

 

 

これまで、夏は私が体を動かすのに最適だと伝えてきたのは、
秋は静かに過ごす時期になるからでもありました。

そうはいっても、
体を動かすことが仕事であるアスリートにとっては、
それは難しいことなので、食事や、睡眠の取り方などで秋の養生を心がけてみてください。

 

静かに過ごす時期といっても何もしないでいいという訳ではなく、
室内で出来る、ストレッチや、エクササイズ、ヨガなどを行い体の巡りをよくする事も
忘れないようにしましょう。

 

秋の養生の教えに逆らえば、
太陰の収斂作用が充分に行われず(手の太陰肺経と足の太陰脾経)、冬に肺気が発散 熱気が胸に充満する。

と記載があります。

 

 

これは冬に肺の病や心の病が起きやすくなり、喘息やインフルエンザなどの呼吸器系の病や、
うつ病や動悸などが起こりやすくなります。秋の花粉症もこの一つです。

 

 

秋から冬の時期は、

慢性咳喘息や、副鼻腔炎などでお困りの方が毎年増えて、
鍼灸治療や、メディカルアロマセラピー、栄養の改善などのサポートをさせていただいておりますが、

長年手放せなかった、吸入器から卒業されたという嬉しいフィードバックをいただいたり、

秋冬に引いた風邪が長引き、その後、副鼻腔炎を併発させてしまってなかなか治らず鍼灸治療にてサポートさえていただく方もいらっしゃいますが
ほとんどの方は治療後に改善し鼻が通って呼吸がしやすくなったというお声もいただいております。

呼吸器に不具合が生じてしまうと、
その後に頭痛や自律神経失調症などの症状を併発してしまいます。
そしてさらに免疫が低下して様々な病に罹りやすくなるという悪循環を繰り返してしまうので、
早期に改善したいところです。

 

本来の鍼灸治療は、このような体の不調に対しても手助けをしてくれる医学です。

腰痛や、肩こり、五十肩といった痛みに対して鍼灸治療を受けたことがある方は多いかもれませんが、

傾いてしまった体の中のバランスを整え(陰陽のバランス)、
滞ってしまった、気血水の巡りをよくすることで、
自分自身が本来持っている、健康に保つための力を取り戻してくれます。

私たちは、毎日忙しい時間をこなすことで精一杯となり、

自分自身をケアすることや、健康に保つために暮らすことを忘れてしまいがちですが、

限られた時間の中でも、自分自身と向きあい

今後も健康な体で過ごしていけるように、

自分自身に目を向けていただけると体も喜んでくれると信じています。

 

長くなりましたが、秋の養生もよかったら取り入れてみてくださいね。

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