鍼は魔法の道具じゃない。休むことはそんなに悪い事ですか?
「少し休んでください」
そう伝えた時、
私は“逃げて”と言っているわけではありません。
その人が、これからも好きなことを続けられるように。
長く競技を続けられるように。
日常を笑って過ごせるように。
そのために必要だと思ったからです。
でも今の時代、
“休む”ことに罪悪感を持つ人が本当に多い。
頑張ることは美しい。
けれど、壊れるまで頑張ることは、本当に正解なのでしょうか。
鍼は魔法の道具ではありません。
どんなに治療をしても、身体が「もう限界」と言っている時は、
休息そのものが治療になることがあります。
鍼をした後、劇的に症状が改善することもあります。
けれど、組織が損傷したり、過度に負荷が掛かっていた場合
それぞれの組織には修復するための自然なペースがあります。
筋肉や靭帯、腱、骨、神経、内臓や精神は
それぞれ修復するペースがちかうから。
鍼は、修復を促すサポートやそのきっかけを与えてくれるものです。
だから、鍼をすれば『OK!!』ではないのです。
本当に大切なことは、
その治療の後にどのように過ごしたかどうかです。
私は24歳まで、競技を続けていました。
それまで、私も休むことに抵抗を強く持っていました。
『1日休むと、3日休んだことと同じだ』なんて言葉を、
私の年齢に近い皆様は言われて育ってきたのではないでしょうか?
私自身も『休む勇気』を持つことができなかった。
『休む=負け、レベルが落ちる』そんな呪縛に囚われていたから。
でも今では思う。
あの時、勇気を出して体を休めていればよかったと。
結局、休めなかった結果、もっと長く離脱することになってしまいました。
私は今、
皆さんに「休むことを勧める側」になりました。
きっと皆さんにとって耳の痛いことをいつも伝えることがあると思います。
特に選手や監督、その保護者の皆さん、
そして子育てをしている皆様にとっては。
でも私は今、止めなければいけない役割を担っています。
だってそのままでは
その先どうなってしまうのかを知っているから。
本当は、その立場ってすごく苦しんですよね。
でも自分のように、
悔しく、苦しい思いをしてほしくないから。
頑張って辛いことも、皆さんにとって耳がいたいことを伝えています。
もっと辛いのは伝えなかった先に皆さんの泣いている顔や苦しそうな顔を目にすることだから。
その想いを受け止めてくださる皆様とは
きっと足並みを揃えて一緒に前進できる信じています。
もしも、それでも、手遅れになってしまっていても、
皆さんが私を必要としてくれていたら、
皆さんの目標をつかめるように全力でサポートします。
休むことは、あきらめることではない。
これからも長く、自分の身体で生きていくための
大切な選択肢の一つです。
みなさんが、
休む勇気を持てますように。

